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惑う
つい最近、偶然に、浮世絵をモチーフにした写真集を 見付けた。浮世絵の名作のイメージそのままに、 モデル達が遊女に扮した、十五年くらい前の写真集。 身体中に真っ白な白粉。目の淵にほんの少し紅を引き、 どこかを流し見る、写真の中の女達。 足の指先まで白い女達。うっすら滲む汗。 むせかえるような白粉の匂いが漂ってくるようだった。 女達をじっと眺めて、こういうのが色香なのかな、 そんなことをぼんやり思った。 色香って言うのは、色気とはまた違って。 そのせいで誰かが迷い惑う力を持つもの、だと思う。 着物の裾からほんの少し覗く白い足。 それだけで惑う。 写真のなかの女達を眺めていたら、色々にイメージが 湧いた。そのひとつを色鉛筆で殴り書きしてみた。 |