僕の眼は厚い目隠しで覆われていた
僕の眼からは紅い血が流れていたから
眼に入れたくないものたちをたくさん詰め込みすぎて
僕の眼からは紅い血が流れていたから
僕は目隠しをしてそういうものたちを吐き出そうとした
厚い目隠しは僕の眼から流れる紅い血を止めてくれた
厚い目隠しは僕の眼の包帯になってくれた
だからやっぱり、あの時の僕はどうしても
僕の目を厚い目隠しで覆わないではいられなかった
目隠しは僕の眼をしっとりと包み込んでとても心地が良くて
あっと言う間に僕の眼になじんできたから
僕は自分が目隠しをしていることを長いこと忘れていた
目隠しは僕の眼が光を喪うコトは防いでくれた
だけど目隠しをつけているときというのは
僕は僕の傷が世界で一番重大なことに思えてしまって
誰にとっても僕の傷が世界で一番重大なことのように思えてしまって
そのせいで見えなくなることがたくさんあったみたいだ
自分が目隠しをつけていない他人の眼にはどんな風に映るのかも
違う色の目隠しをした他人の眼にはどんな風に映るのかも
自分のそれと違う色をした他人の目隠しの存在も
僕の眼には映らなくなっていた
目隠しをほどいたばかりの僕の眼は
まだ瘡蓋で覆われていて見えないものがたくさんあったり
無理に瘡蓋を剥いで眼に入れたもののために
ほんの少し紅い血が流れたりもする
だけど僕はもう目隠しをすることはやめようと思う
あの時確かに僕を助けてくれた目隠しにご苦労様を言って
僕の眼を覆ってきた目隠しを解きたいと思う
目隠しの下で固まった傷が僕の眼を塞いでしまうその前に
目隠しを解いて傷を治した眼には
目隠しをする前よりずっとずっとたくさんのことが見えるだろう
そのことで前より深く深く切なくなることもあるだろうけれど
きっと前よりもっともっと僕を癒してくれるものを見つけられるだろう
・・・・・・・・・
だから僕は目隠しを解く
あなたの手を借りながら目隠しを解く
僕一人だけでは解くことのできなかった
コンプレックスという名の目隠しを
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