チューリップと薔薇は、意外と似ている。
どこが?って思われるかもしれないが、どこからどう見てもそっくりというわけでは勿論ない。似てるな、と思うにはちょっとした条件がある。
まだ開ききってなくて雌蘂や雄蘂の見えないチューリップを真上から見たか、開いたチューリップでも、雌蘂や雄蘂がぎりぎり見えないくらいの斜め上から見たときには、チューリップと薔薇は確かに似ているのだ。花弁の色の鮮やかさと重なり合い具合。チューリップは素朴なイメージのある花だけど、それはチューリップがいつも横から眺められる花だからだと思う。
チューリップで思い浮かぶイメージ。さきっぽがちょっとだけギザギザした壺のような花にまっすぐ伸びた茎と葉。それがお行儀よく花壇一面に並んでいる。素朴な光景。でもそれは、チューリップを横からだけしか見ていない。
ほんの少しだけ角度を変えて眺めてみると、横から見たときのさきっぽのギザギザは実は複雑な花弁の折り重なりでできているのがわかる。複雑な折り重なりだから、一口に上から眺めると言っても、どれくらいの位置から眺めるのかで見え方は様々に変化する。そのなかには、チューリップが薔薇に似てる角度だって確かにある。この発見は、いつもよく行く喫茶店へなんとなくいつもと違うルートで出かけたときのもの。いつもは通らない道の直ぐ側にあったチューリップ。何気なく上から眺めたら、薔薇が浮かんだ。