- +++いとうせいこう「ノーライフキング」+++
- 小学生のこども達の、噂のネットワークを淡々と書いた話。
子供が話す言葉には、不思議な力があると思う。
言葉はもともと言い様のない力があるものだけれど、
とりわけ子供が話す言葉には、不思議な力があると思う。
この物語を読んだとき、何かが突き上げてきて、私は
ぼろぼろ泣いた。読み返すことは怖くてできなかった。
一般的に悲しい話とか泣ける話ではないんだけれど。
子供が話す言葉には、不思議な力があると思う。
言葉はもともと言い様のない力があるものだけれど、
とりわけ子供が話す言葉には、不思議な力があると思う。
言葉は、いつも生まれたその瞬間から、
生み出したものを離れて、一人歩きをするのだ。
- +++山田詠美「風葬の教室」+++
- 転校を機に、いじめを受けるようになった少女のお話。
感性豊かな、女性になりかけている、美しい少女。
彼女のそんな個性が、教室を「いじめ」へまとまらせていく。
主人公は、自分自身でも少なからずそのことを自覚している。
私にとっては。
大好きで、でもとても痛い話。
すごく共感できで同時に共感できない話。
・・共感できないというより、したくなかったのだと思う。
この物語の少女は、いじめる側のこども達を、彼女の心の中で風葬に付す。
それは、自分自身もこの少女の年の頃にしていたこと。
ただ一つの違いは。
あの頃私は自分を醜いと思っていた。この少女と違って。
正しい正しくないだけでは図れない価値の存在に怯えていた。
虚勢と自負心とコンプレックスの中で自我が壊れそうになってた。
だから、そんなに強くないよ、とどうしてもどこかで思ってしまった。
今、もう一度読んでみたら、どう思うかな。
- +++柳美里「ゴールドラッシュ」+++
- 酒鬼薔薇事件をきっかけに書かれたという、14歳の少年の父殺しの話。
少年の閉塞感が迫ってくる
お金がいくらあっても、父親を殺しても、少年達だけではいられない。
大人の社会の枠に組み込まれている。だってまだ少年なんだから。
大人が思っているより、大人が思うのとは違う部分で大人でも、
少年が自分で思うよりはまだ大人じゃない。
薄々分かってきてどうにもならない少年の閉塞感がありありとある。
作品のラストで希望のかけらが見えるように思ったけど。
少年はそれを捕まえられただろうか。
- +++ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」+++
- 白痴の青年が、外科手術で急激に天才になり。
手術の効果が切れてまた急激に元の知能に戻るまでの話。
幸せを感じるために必要なものって、とても相対的なんだと思う。
それを手にすることが全てのように思っていたことでさえ
手にした瞬間から当たり前にあるものになって色褪せていく
でも逆に、持たざる人にしか、持たざる事を晒せる人にしか
備わらないものが、幸せを感じるためにとても必要なものかもしれない
「ひとにわらわせておけば友だちをつくるのわかんたんです。」
物語のラストのこの言葉が、私はとても好き。