つい最近、自転車に乗って市民図書館に行こうとしたときのこと。
私の家は私も通っていた小学校の目と鼻の先にあり、家の前の路は通学路。
私が家を出た時間が下校時間に重なって、黄色い帽子の小学生たちがわらわらと歩いている。
家を出て路を曲がると、黄色い帽子が輪になった人だかりがあった。
ふとみると、輪の中心にはお腹を押さえて道路に倒れ込んでうずくまっている
多分2、3年生くらいの男の子がいた。その側で何人かの男の子。通学班の班旗(その小学校は地域毎に通学班があって、班長が班旗を持ってる)をかざす木の棒でその男の子をつつきながら、
「こいつ、生きてんのー、死んでんのー」
等と声をあげている子もいた。とても心配して声をかけてる雰囲気ではない。
そのまわりでは何があったんだろうって感じでざわめいてる男の子や女の子が
二重三重に輪を作っていた。
万一急病とかだったらと思って、慌てて輪の中に割って入った。
低学年の子達より頭二つ分くらい大きい私が入って輪がちょっと静かになった。
屈んで大丈夫?と声をかけると、男の子は唇を噛みしめた悔しそうな表情で立ち
上がり、何も言わずに一人で立ち去っていった。彼についていこうとする子は、
誰もいなかった。人だかりは消えて、いつもの下校の風景に戻っていく。一人賢しげな顔の男の子が、何かあったんですか?と聞いてきたが、ここを通っ
たらもううずくまって倒れていて・・・と言った途端に興味を無くしたようで、
最後まで言い終わらない内に行ってしまった。
時間にしたらものの数分の出来事が、心臓を鷲掴みする。
あの黄色い帽子の男の子達に取り囲まれた記憶があるから。
その時の気持ちをまだ覚えているから。
そして、当時一番受け入れがたかったのが、それで私がどんな気持ちになっても
そんなことを彼らは「知らない」のだということ。
そんなことを「知らない」子達が特別悪いわけでもなく。
それぞれにそれぞれの、友達もいて良いところもある、普通の子なのだ。
ただ、そうそう人は自分以外の気持ちを想像できないだけ。
自分自身も含めて。
だから。
だから・・・。