平成14年民法第二問
一 AC間に新たな合意を必要としない場合
1
 Aとしては、まず、Bの債務を第三者弁済(474)して、Bの債務を
消滅させる法律的方法を採ろうとすると考えられる。本問では、Bは
AがBの借金の返済をすることを拒否しているところ、Aに利害の関係
(474条2項)がなければ、Aは債務者Bの意思に反して債務を弁済
できない。そこで、Aに474-2にいう利害関係あるか問題となる。
 思うに、474-2の趣旨は、他人に債務を弁済してもらうことをいさ
ぎよしとしない債務者の 意思の尊重である。
 とすれば、利害関係あると言えるためには、かかる債務者の意思尊
重より優先されるだけの利害関係、すなわち法律上の利害関係がある
ことが必要である。
 この点、本問のAはBの直系血族であり、Bに対して法律上扶養義務を
負う地位にある(877)
  また、Bは、資産もなく無職であり、扶養を必要とする状態にある。
 よって、Aは、かかるBの債務の弁済について法律上の利害関係があ
ると言える。
 従って、AはBの意思に反しても、Bの債務を第三者弁済(474)して
Bの債務を消滅させる方法をとることができる。
2
 AはBとの間で合意をすることができれば、Bと重畳的債務引き受け
をして、引き受けた自己の 債務を弁済することで、Bの債務を消滅
させることができる。(ただ、Bの協力が期待できない本問では有効で
ない。)
 重畳的債務引き受けは第三者のためにする契約(537)の性質を有す
るところ、AはCの合意 がなくとも、Bとの合意により債務を引き受
けて弁済をすることができるからである。
  ただ、Cの受益の意思表示は必要である(537-2)
二 AC間に新たな合意を必要とする場合
1
 Aは、ABCの合意で免責的債務引き受けをすることにより、自己の債
務を弁済して債務を消 滅させることができる。ただ、Bの協力が期待
できない本問では有効でない。
2 
 また、AはCと保証契約を締結して、自己の保証債務の弁済をすること
で主債務たるBの債務を消滅させることができる(446)
 保証は、債務者の意思に反してもなし得るところ、Bの協力が期待でき
ない本問では有効な方法である。(462-2)
3
 さらに、AはCからBに対する債権の債権譲渡を受けた上で(466)、Bに
対して免除の意思表示をすることで、Bの債務を消滅させることができ
る(519)
   免除は、一方的意思表示であり、債務者の意思に関わりなくなし得る
ので、Bの協力が期待できない本問においては有効な方法である
                                      
以上







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