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平成7年 民事訴訟法第1問
処分権主義は訴え提起の場面において、どのように現れるか。
一 処分権主義について
(定義):当事者が訴訟の開始、訴訟物の特定、訴訟の終了、紛争の
実体的解決について処分権能を有し、これらにつき自由に決定
できること
(根拠):民事訴訟の対象=裁判外で当事者が自由に処分できる私法
上の権利
→裁判外でも当事者の意思を尊重するべき
(機能):原告の意思尊重、被告に防御の範囲を示す
→当事者に対する不意打ち防止
(以下)かかる処分権主義が、訴え提起の場面でどのように現れるか、
検討
二、訴えを提起するか否かについての処分権主義の現れ
1 不告不理の原則
(思うに)原告による訴え提起がないのに裁判所が審判を開始する事
は、当事者の意思に反する
(そのため)処分権主義は、訴え提起の場面において、原告が訴え提
起(133条1項)するのでなければ、訴訟は開始しない、という形
で現れる
2 明文なき訴訟契約の有効性
不起訴の合意等の、訴え提起に関する明文なき訴訟契約の有
効性が、処分権主義から導かれないか。
(この点)任意訴訟の禁止の観点からは有効性を否定すべきとも
(しかし)当事者:訴訟を開始するか否かについて自由に決定しうる立
場にある(処分権主義)
(とすれば)1処分権主義弁論主義の範囲内で
2合意の効果が明確に予測できるもの
であれば、明文なき訴訟契約の有効性を認めて良い
(よって)処分権主義は、訴え提起の場面において、訴え提起に関する
明文なき訴訟契約の有効性を基礎づける形で現れる
三 いかなる訴えを提起するかについての処分権主義の現れ
1 原告による申立事項の特定の必要性
(思うに)原告:訴え提起にあたり請求の範囲を明確に特定する必要あり
(すなわち)裁判所は、申立事項を超えて判決できない(246、処分権主
義 →訴訟物の特定についての原告の意思を尊重)。
(そのため)裁判所:原告の申立事項と判決とが一致するかの判断が必要
→この判断ができるためには、原告が申立事項を明確に特定している
事が必要
(また)特定:被告に防御の範囲を明示→不意打ち防止
→処分権主義の機能が、よりよく全うされる
(よって)処分権主義は、訴え提起の場面において、原告に申立事項の
特定を要求するという形で現れる
2 一部請求
処分権主義:原告は訴訟物の範囲を自由に決定できることからすれ
ば、一部請求に問題はないとも
(しかし)一部である事を明示しないで残部請求→被告に不意打ち
(思うに)処分権主義:原告の意思尊重のみならず、被告に防御の範囲
を示す機能も
(とすれば)一部請求は、一部である事の明示ある場合に限り許される
とするのがむしろ処分権主義の趣旨に合致
(よって)処分権主義は、訴え提起の場面において、一部の明示ある一
部請求を許容すると言う形で現れる
以上
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