| 形成権説 | 請求権説 | 折衷説 | 責任説 | |
|---|---|---|---|---|
| 訴えの性質 | 形成訴訟 | 給付訴訟 | (形成+給付)訴訟 (詐害行為が債務者による第三債務者への債務の免除であった場合など、取消のみの訴求の場合は形成訴訟 | 責任訴訟 |
| 制度の目的 | 債務者の詐害行為を取り消すこと | 債権者に逸出財産の債務者への返還請求権を与えること | 詐害行為の取消+逸出財産の返還請求 | 債務者の責任財産を保全し、これに対する強制執行を準備する制度 |
| 訴えの被告 | 債務者・受益者(取り消される行為の当事者) | 受益者又は転得者(財産返還請求の相手方) | 受益者又は転得者(財産返還請求の相手方) 債務者は被告とならない | 受益者又は転得者(強制執行されるべき財産を有している者) |
| 判決の効力 | 絶対的効力 | 相対的効力(取消権の効果を対人的な請求権と考えるから) | 相対的効力(詐害行為の取消を法律行為の取消〜121条〜とは性質を事にする相対的取消であると考えるから。すなわち、訴訟の相手方に対しては無効だが、訴訟に関与しない者に対しては依然有効となる。=#債務者との関係では行為は依然有効) | 責任的無効(受益者名義・転得者名義のままで、債務者に対する債務名義を持って強制執行することを許す。) |
| 批判 | ●受益者又は転得者から財産を取り戻す際に、新たに不当利得返還請求権を代位行使せねばならず、不便 ●すべての法律関係を絶対的に無効とするのは、取引の安全を不当に害する ●債権者取消権の目的は債務者の責任財産の保全だから、その目的を越えて第三者の利益を害する範囲にまで取消の効力を認める必要はない。 | ●”取消”という条文の文言を全く無視する ●債務免除の取消、未履行の贈与契約の取消のように、給付訴訟をしなくても行為の取消だけで足りる場合の説明が付かない | ●債権者取消権にいう取消を相対的取消とすべき条文上の根拠がない ●多数の利害関係人がいる場合には相対効とするとかえって法律関係が錯綜し、取引の安全に資するとは言えない ●債務者には取消の効力が及んでいないはずなのに(取消債権者と債務者との関係でのその財産は受益者に帰属しているはずなのに)、債務者の元に戻った財産を債務者の財産として強制執行できるのは矛盾している | ●日本の民事訴訟法では強制執行認容判決が認められていない(#ドイツでは認められている)ので、解釈論としては無理がある。 |
参考文献:内田勝一「債権総論講義案」