占有訴権 占有そのものを保護する効力

  占有訴権…「占有」状態(事実的支配)が侵害され、また侵害される虞が生じた場合に、その侵害を排除し、またはその虞を除去し、「占有」(事実的支配)の回復・維持を求める請求権のこと。
※占有訴権が「占有」という事実状態をそのままの形で保護しようとする点において、あるべき状態を(権利の内容)を保護しようとする他の物権と異なることに注意(例えば、泥棒にも占有訴権はある。)

占有訴権の性質
「占有」の回復(目的物の返還、妨害の停止および予防)…@
 占有訴権の内容
損害の賠償(または、その担保)…A

@→物権的請求権たる効力として(妨害排除的効力)として、占有訴権に認められる
  A→不法行為と同じ性質をもつもので、便宜的に占有訴権の内容として与えられたにすぎない

したがって……
@「占有」の回復を請求するときマ相手方の故意・過失は問わない
A損害の賠償を請求するときマ相手方の故意・過失を要件とし、不法行為の原理で もって処理される(物権的請求権における「費用負担」の問題と同一に考えるべ き)

占有訴権の当事者

占有訴権の主体…占有者(善意・悪意を問わない)
※「他人のために占有を為す者」も占有訴権を有する

☆自習占有でも他主占有でもよい
☆自己占有者(直接占有者)でも、占有代理人による占有者(間接占有者)でもよい
☆受寄者・財産管理人といった管理占有者も占有訴権を有する
★ただし、占有補助者ないし占有機関は、所持を有しないから占有者とは認められ ず、占有訴権を有しない

占有訴権の相手方…「占有」の侵害者(妨害者・侵奪者)
※「占有」の回復のときと損害賠償請求のときの違いに注意
☆「占有」の回復マ物権的請求権の一種であるから、その相手方は、現に妨害をし、妨害の虞があり、または物を所持している者
  ★損害賠償請求権マ自ら損害を生ぜしめた者であって、その故意・過失を要件とする。
(その特定承継人は含まれない)


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"A study" by Aiko Mizuno
96/02/27/released
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