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最判平成8年11月12日(平成8年度の重要判例解説登載判例です。) <事案の概要>
X1、X2 本件のマンションを共同購入した上告人
Y---------------------X1・X2 なお、売買契約書には特記事項として、
○佐用フージョン倶楽部会員権付き との特約があり、また、マンションの案内書・広告には、スポーツクラブの詳細な施設内容、完成時期が明記されていました。
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ところが、被告が、スポーツクラブの屋内プールをいつまでも建設しないため、原告らが解除に踏み切ることになりました。
平成3年 11月 2日 下見・施設内用の確認 11月25日 上告人二人が(持ち分2分の1)不動産買受(4400万) 手付け交付(440万) 12月 6日 残代金支払い 4年 9月 ジャクジー、屋内温泉プール完成 上告人ら、建設を再三要求 ↓ 被上告人 完成の遅延の旨を上告人に通告。 遅延関連で60万交付 平成5年 7月12日 書面で 本件売買契約及び 本件会員権契約 の解除 |
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<判旨> 「同一当時者間での債権債務関係がその形式は甲契約及び乙契約と言った二個以上の契約からなる場合であっても、それらの目的とするところが相互に密接に関連づけられていて、社会通念上、甲契約または乙契約のいずれかが履行されるだけでは契約を締結した目的が全体としては達成されないと認められる場合には、甲契約上の債務の不履行を理由に、その債権者が法定解除権の行使として乙契約をも解除することが出きるものとするのが相当である。」 以上のように述べて、今回の契約は「二個の契約であることしつつ」、一方の契約の不履行による他方の契約の解除を認めました。
つまり、
「スポーツクラブ会員権」についての不履行によって、 では、なぜ、本判決は、二個の契約があるとの前提をとったのでしょうか? <私の見解>
契約の目的を総合的に考えて、一つの契約として判断することは、確かに、当事者の実質的な目的(特に、原告側)の意識には合致し、実体に即した判断であるかのようにも思えます。
取引のレベルでの一つの目的のために、複数の契約を結ぶとしても、契約相互の関連性の強弱の程度には様々な段階のものがあると考えられるからです。この点についての考慮なしに安易に一つの契約と構成してしまっては、契約相互の関連性の差異に応じた結論が導けないのではないかというおそれがあります。
もちろん、契約締結の実質的な目的を考慮しないで法形式上契約の個数が複数であるとの理由のみで、常に個々的にしか契約の解除を認めないのは当事者の意思をないがしろにすることになります。
だとすれば、一つの契約と構成して解除を認めるよりも、二つの契約と構成した上で、一つの契約についての債務不履行によって他方の解除も認める余地を残す構成の方が、契約相互の関連性の程度と契約締結目的への配慮の両方を行え、妥当な解決といえるのではないかと考えをあらためた次第ですm(_ _)m |