オンラインにおける性差、っていうのは、結構面白い。まだまだネット上の男女比は現実社会のそれに比べれば「ひずんでる」人数比だからっていうのがまずある。この「ひずんだ」男女比がもたらすリスクはネットに女を参加させにくいものにしている。でも、見方を変えれば、ネット上では、女は簡単に「一対多」の関係を手に入れることができる。一歩身を引いてみれば、現実の自分とは違うもう一つの希少価値の自分を持ってみる、というのは女性の参加が少ないうちだけの貴重の体験かも知れないとすら思う。
以前は、現役司法試験受験生の勉強公開、なんていう堅い内容のページの所有者、「早稲女の司法試験受験生」などネット上においても女性としての商品価値はないだろうとたかをくくっていたものだけど(#現に、私のところに来るナンパメールはほとんど英語のだけ。)、どうやらそうでもなかったのね、って私に思わせた事件が昨年秋起こった。
ホームページ上の顔写真の、商業雑誌への無断転載である。
オンライン美女100!なんてものに、いつのまにか入れていただいていた。実際に取材した二名の女性以外、載せてた女性達の写真は全て無断転載というシロモノで、女性達が抗議して騒ぎが大きくなって(#実は私は騒ぎを大きくした張本人なのだが(^^;))新聞沙汰にまでなったので、もしかしてご存じの向きもあるかもしれない。
女の子の写真をページ上から落として切り張りするだけで、コンビニで売ってるような雑誌の、創刊号の巻頭特集ができちゃう、「商品」になってしまう程度に、「まだ」希少性・話題性があるのかと思った。
私があの雑誌の記事に不満を持ち抗議したのは、私が法曹を目指す人間の端くれだったからだ。WWWがブラウジングやキャッシュという「コピー」を前提としたものだとはいったって、ホームページ上の写真の無断の商用利用は著作権侵害にあたると思うし、やホームページを持っているという以外の全くの一般個人の写真を雑誌に無断で載せている点で肖像権の侵害の問題もある。ホームページ上でのみ公開を希望していた個人情報を雑誌に載せ直すことは個人の情報コントロール権としてのプライバシーを侵害にあたる可能性もある。(ちなみに、私は、司法試験合格後の希望についてはページ上になんにも書いていなかったのに、一方的に「弁護士の卵」と書かれたのは明白にプライバシー侵害だと思う。)ホームページに「法律自習室」なんて看板掲げてる手前もあって、弁護士さんにも相談してきっちり抗議した。
だけど、見方を変えて考えてみれば、そんな手抜きな記事でも成り立っちゃうほど、「ネット上の女」っていうのはそれだけで注目される。「まだ」。
それって、情報発信するとき、あるいは、自分自身を売り込みたいとき、ものすごく有利なことだ。現実の社会の中で21やそこらの女がなんかいったってまずどこにも届かない。でもネット上なら違う。弁護士や学者からだって直接感想を頂けてしまう。思っても見ない人脈が広がる。これを利用しない手はない。内容による淘汰はあっという間に来るだろうけど、だからこそ今のうちに自分が女であることを最大限自己主張に利用するのだ。写真を載せていると無断転載とか悪戯メールとかのリスクもあるけど、写真があった方がアクセス数が多くて、アクセス数が多い方が見てほしい人に見てもらえる可能性も高くなる。法律関係の文書を読んでくれる方だって、少しは色気のあるページにしていた方が見てくれる率が高いのは同じだから。たかが学部生に内容だけで勝負して見て貰えるものなんてつくれないことは、私は自分で良く知ってる。
私の知っているネット上の女性達は、素敵に計算高く、「ネット上の女」という幾分デフォルメ過多な性を、female choiceが極端に働く社会での性を利用している。もちろん、彼女たちはネット社会により女性が参加していくことを望んでいるし、女性ということで見て貰っている部分をちゃんと差し引いている。そして、ホントに伝えたいことが伝わる人にも時には出会える。これが楽しい。私の場合は、ある研究者の方に、「あなたみたいなやわらかいページで法律に興味を持つ人がでてきたらそれだけでも教育的効果がありますよ」とおっしゃっていただいたとき、あ、わかって下さるんですね、ってとっても嬉しかったかな。
なお。情報発信に「ネット上の女」という性を利用しようなんていってますが、私、水野愛子は物理的にも正真正銘の女ですので。(この性格のせいか、過去二回ほどネットおかまの疑いをかけられてるけど(^^;)。)