文庫本を買った訳ではなく、図書館でハードカバーを借りて読んだ。
どういう訳だか、これは買わずに済ませてしまった。
舞台は二・二六事件だと言う事は帯やネットで知ってはいたけど、
なるほどこんな感じか。
図書館で「ライオン・ハート」も読んだが、
「ロミオとロミオは永遠に」など含めて私には恩田ワールドは現世が一番しっくりくる。
「三月は深き紅の淵を」で試した入れ子構造を、歴史的・時間的概念にも当て嵌めてみよう
そう言うアイディアから生まれた作品なんだろうけど、技巧的かもしれないが私の好みではないな。
歴史をモチーフにすると、どうしたって比較対象としての史実、事実、真実が現存してしまうから、
やっぱりそれには勝てないでしょう。だったら100%虚構で勝負してもらいたい。
軍隊を舞台にしている辺りは、村上龍の「5分後の世界」や「半島を出よ」なんかも想起させたね。
イサオ・オサリヴァンが活躍する(のであろう)「グリーンスリーブス」が待ち遠しい。
このところ恩田陸の文庫化が遅れているから、
文庫化してない他のハードカバーも借りてきて読んでしまおうかな。