40

石田衣良・講談社文庫

タイトルで似てるのは「4TEEN」。内容で似てるのは「LAST」。
もっとも、こちらは短編集だけど連作だし、クライマックスは大団円で後味は良い。

私は四捨五入で一応まだ30代だけど、人生の3分の1は経過している事を考えると
これで良かったのかと自問する事はやはり多い。
こんなはずじゃなかったのに、これからどうなるんだろう、とかね。
残された時間はあまり無い事が分かるだけに、焦燥感も一際。
独り身のまま、ここまでふらふら生きてきてしまったけど、
取り返しの付かない事をしてしまっているのではないか、って事に気付いて気付かぬふりをしている。

子供の頃も、社会人になりたての頃も、40歳はえらい大人だと思ってた。
でも、一番悩める世代なんだろうね。
特にこれからは、私だって第二、第三の職場に移っている事だって無いとは言えない。
実際、社内で現在行われている緊急PJの延命効果だって、ちょうど5年くらいのものだろう。

どうせなら独りで悩むのではなく、それを共有してくれる誰かが傍らにいることを期待したいものだ。

(09/09/08)


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