第1章 捨てられた地図の事件 ・楡田栄子の目線でM町と水無月橋事件のあらましを復習。 ・若月圭吾に関する思わせぶりな記述。犯人候補へのミスリード。 ・菊山姉妹が拾った地図は、実は中学生のいたずら。好きな子を呼び出すための地図だった。 華代と虹枝のどちらが拾ったかが思わせぶりだったが、時間差については結局何か意味があったのか? 第2章 日没から夜明けまでの事件 ・市川吾郎の失踪シーンを会社同僚目線で復習。 ・上司の送別会でも市川吾郎の思わせぶりな行動。@鬼の顔のメモ(=M町の水路)、A「そんなはずはない」(=中洲が浮島と気づいてしまった)。 ・失踪前夜に買った筆ペンは何の意味が? 第3章 溺れかけた猫の事件 ・市川吾郎が9月を過ぎてからM町の宇津木宏子のお店を頻繁に訪ねてくるようになったエピソードを中心に復習。 ・宏子が3番目の塔には神様がもう来ないと言った時の、市川吾郎の見せた恐怖の表情は何故? ・市川吾郎は宏子からM町の歴史に詳しい田中健三を紹介してもらう。その際、「色川」と偽名を語る。 ・大雨の日、市川吾郎は宏子のお店の裏の水路でミカゲを救う。 第4章 駅の掲示板の事件 ・再び楡田栄子の視点。駅の売店の女性との会話で、市川吾郎がちょくちょく駅に来ていたことを知る。 ・市川吾郎は、各務原と言う駅員さんの許可を得て掲示板を利用し、ゴムまり、尋ね人、そして地図を掲示していたことが明かされる。 第5章 紫陽花とハンカチの事件 ・菊山姉妹の家の前に落とされるハンカチについて、思わせぶりな展開。 ・ハンカチの謎を辰五郎に聞きに出かけようとするが、飼い犬トラのエサ皿が見当たらず探すことに。 ・辰五郎から、布団干しを鍵にした逢引きのエピソードが語れる。(⇒これって今邑彩の短編に近いのあった気がする) ・丘がK市の飛び地であることが明かされる。 ・後日、事件時に華代が地図を持って帰った時に、虹枝はこのハンカチが地図を拾う予行演習となったのではないかと訝しむ。 (⇒でもこれ、ハズレでしょ。地図は中学生の悪戯ならハンカチとは無関係) 第6章 川沿いに建つ洋館の事件 ・楡田栄子が田中健三の家を訪ね、遺された妻に話を聞く。 ・田中健三の飼い犬が持っていたピンクのゴム毬は、市川吾郎が掲示板で探し物をしていたゴム毬。 第7章 焚き火の神様の事件 ・田代修平と市川吾郎の出会い(市川が殺される前の年の9月)。隠された「天の川」とは? (⇒水脈だったと言いたいのか・・・) 第8章 点と線の事件 ・楡田栄子が市川吾郎の過去を振り返る。古野忠明(市川吾郎の異母弟)の呼び出しに応じファミレスで初対面。 第9章 同じ顔をした男の事件 ・引き続き楡田栄子と古野忠明の会話。古野から、市川吾郎の仕事がカーナビ営業だったことが語られる。 ・最新のカーナビに、この町の塔が映っておらず、無いことになっていると語られる。 (⇒思わせぶりではあるが、大した仕掛けじゃない) 第10章 散歩する犬たちの事件 ・田中健三の生前、市川吾郎とのシーン。駅の掲示板でピンクのゴム毬を探していた市川に田中が応えた。 ・この町の神様になりにきた、と言う市川吾郎。 第11章 風が吹くと桶屋が儲かる事件 ・水無月橋事件の後、田代修平と新村和音が出会い、中洲へ。 第12章 井戸と鋏の事件 ・新村和音は市川吾郎が3年前に大おばを訪ねてきたのを思い出す。「まさか、今ごろになって」 ・かつて新村和音は大おばに連れられ、塔の上に鋏をしまった記憶を思い出す。 第13章 帽子と笹舟の事件 ・駅員の各務原猛は掲示板を使おうとした市川吾郎の事を思い出す。 ・市川吾郎が3年前に新村志津を訪ねてきた時にも各務原猛は市川吾郎を見かけていた。 ・のちに田中健三の飼い犬のモノとなるピンクのゴム毬は、かつて新村和音が遊んでいたモノらしい。 ・市川吾郎が最後の地図で示した場所は、各務原が幼いころに水流が多くなったときに限って笹舟が流されるポイントと同じで、それが宇津木宏子の店の裏。 そして宇津木の店から田中健三が出てくると推察されるシーン。 (⇒つまり水無月橋事件から、田中健三が死んでしまう間の2週間以内のある日の回想) 第14章 不吉な電話の事件 ・石田辰五郎のもとに水無月橋事件発生の連絡が。 ・市川吾郎に飛び地である「丘」の家を貸したのは新村志津だった。 ・田中健三と石田辰五郎の会話。そして直後の田中健三の死。 ・田中健三の葬儀の後、新村志津と石田辰五郎の会話。 第15章 彼女の事件 ・キャラメルの持ち主が楡田栄子であることが明かされる。 ・楡田栄子の目的は「失踪」の研究であるという無粋な説明。 ・楡田栄子はたまたま田代修平と新村和音との会話(市川吾郎自殺説)を耳にし、流れで新村志津を訪ねることに。 ・田代修平は楡田栄子と新村志津との接触を良くないものと考え、時間稼ぎに焚き火の現場へいざなう。 (⇒ここで水無月橋事件の事件性は凶器が見つからない事も一因であるという無粋な説明) 第16章 彼らの事件 ・楡田栄子の死。 ・菊山姉妹の飼い犬トラの失踪(と言うほどのものではないが)。 ・一の塔、二の塔に発火装置が仕掛けられており同時に失火。 (⇒楡田栄子の仕業のようなミスリードがあるが、新村和音の仕掛け) ・石田辰五郎は楡田栄子を訪ねにホテルへ。 ・若月慶吾は、鬼を避けるため三の塔に赤いものを結びに来たと言う子供たちと遭遇。 (⇒『球形の季節』を彷彿とさせる) ・若月慶吾はその後宇津木宏子の店へ。かつて市川吾郎がミカゲを拾った時に店にいたのも若月慶吾だった模様。 第17章 彼らの事件の続き ・いよいよ地形の変動。3つの塔は水抜き穴としての役割を果たす。 ・田中健三の妻の視点で ・若月慶吾の視点で ・菊山姉妹の視点で ・石田辰五郎の視点で ・新村和音の視点で ・新村志津の視点で ・田代修平の視点で 第18章 私の事件 ・亡くなった市川吾郎の視点で、M町の真相が語られる。 第19章 水無月橋の殺人事件 ・市川吾郎の死の真相。