バック・ステージ

芦沢央・角川文庫

これで一旦、芦沢央祭りも終わり。
読後が爽やかなのが良い。康子さんと松尾のホンワカした関係は、これからどんな幕が上がるのだろう。
根っからの悪者は澤口くらいで、あのSDカードの在り処は肩透かしではあったけど、なんだかハチャメチャなお話が綺麗にまとまった。
作中のアイドルグループ『ミニッツ5』は、「いつかの人質」と連環している。作者にとって大事なキャラクターなのかな。
第三幕の[舞台裏の覚悟]の狂気じみた笑いにゾクゾクする。これを読むと恩田陸の「チョコレートコスモス」も再読したくなった。

恩田陸の“かしらん”に通ずる、芦沢央ワードは“くずおれる”なのかな。

(20/11/23)


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