これで一旦、芦沢央祭りも終わり。
読後が爽やかなのが良い。康子さんと松尾のホンワカした関係は、これからどんな幕が上がるのだろう。
根っからの悪者は澤口くらいで、あのSDカードの在り処は肩透かしではあったけど、なんだかハチャメチャなお話が綺麗にまとまった。
作中のアイドルグループ『ミニッツ5』は、「いつかの人質」と連環している。作者にとって大事なキャラクターなのかな。
第三幕の[舞台裏の覚悟]の狂気じみた笑いにゾクゾクする。これを読むと恩田陸の「チョコレートコスモス」も再読したくなった。
恩田陸の“かしらん”に通ずる、芦沢央ワードは“くずおれる”なのかな。