帯に「2015年上半期エンタテインメント ベスト1」とある。
なるほど、いろんなものがてんこ盛り。コンピュータウィルス、IT業界のシステムエンジニアの悲哀、マスコミ報道の在り方など。
p58に、『2017年に始まったばかりの』という記述があるので、近未来のハナシだと窺い知れる。
伊坂幸太郎のように、データ管理社会を自分の頭で考えて生きろ、と言いたかったのかな。
正直言うと、細かなディテールを味わい尽くすというよりは、字面を追うだけになっている面もある。
綿貫のエセ関西弁など、キャラクターの伏線未回収もあるような気がする。
武岱のオールマイティぶりもご都合主義は否めないけれど、読んでいくと圧倒される感はある。
こうした緻密な作品は読んでて疲れる。恩田陸のほわーっとした投げっぱなしも肩透かしで困っちゃうけどね。
次は楽に読めるものにしようかな。