史上最強の内閣

室積光・小学館

面白かった。伏線は見事に回収。
将軍様のご子息がチャラすぎるだろう。そんな都合よく・・・と思っていたけど、それもこれも太郎。
ラストはうっすら涙。

朝鮮半島との有事と言えば、村上龍の「半島を出よ」もあり、あちらはシリアス。こちらはコミカル。
都立水商の作者と聞けばなるほど納得。
主役級の登場人物は名前をもじってパロディにしている一方、適度に実名で引き合いに出される人名もあり
当世のリアリティ演出に一役買っている。
ただしネズミーランドは、一か所だけディズニーランドとして現れちゃってる(p28)。
まさに米国大統領に就任したバイデンも、オバマ大統領に敗れた当時の肩書でチョイ役として登場(p86)。

『サザエさんの幸福』理論が令和の世の中でも通じるのか、今の日本の底力が試されている。
過去の謝罪問題は、本当に辟易とさせられる。
1回謝ったんだからもう絶対謝らないもんね。死んでもヤダ。絶対ヤダ。
と、お互いがこういう態度では解決にならない。
それよりも、過去の正しくない行為で、今でも我々にこうして蟠りを遺し深い軛となってしまっている。
だからこそ今の我々が後世にはそうした遺恨を持ち越すべきではない。
事実を双方で認めて、変える事の出来ない過去から、これからはお互いにどうしていくのか
共有できる未来像を分かち合おう。
そんな風に時間を使えないものかね。

(21/01/27)


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