ブラック・ローズ

新堂冬樹・幻冬舎文庫

相変わらずドス黒い新堂ワールド。ただしさほど捻りは無いので、サクサクと読み進む。
業界の必要悪に立ち向かう正義の唯。しかし理想とした亡き父親にも黒い影があり…。
最終的には唯も破滅して終わりなんだろうな、とは思ったけど中途半端に光が射したか。
あまりに後味悪い作品ばかりで、編集者から何か言われたんだろうか。

どの世界にも越えられない一線や、タブーはあるもの。
それを侵してしまった後日譚こそ興味深いけどね。
唯だけじゃなく、唯によって業界を追われた仁科や、仁科の奸計にはまった和田などの顛末はどうなる?
新堂作品は、キャラへの愛着をあまり感じないのが残念。あまり読み返そうと言う気にはならない。

私も仕事柄テレビ局に出入りもするんだが、虚構の楼閣ってイメージは否定できない。
実態もあんなものかもよ。
解説でも無理だって書いてたけどドラマで見たいな。
唯のイメージは吉高由里子じゃなく、加藤あいとか、黒木メイサとかだな。

(12/04/30)


茶色い本棚(国内作家)へ戻る

私の本棚へ戻る

タイトルへ戻る