芦沢央第二弾。このストンと落ちる感じ、上手だね。
伏線がフェア。2回、3回と物語が暗転する。
疑って読んでるから、今回は割と序盤で仕掛けには気付いた。
分かって読んでても面白い。
辻村深月「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」と、恩田陸「木曜組曲」を掛け算したような話。
どちらも好きだし、この作品も嫌いな訳がない。
女性が多く出てくる物語。特に母娘の関係性というのは、
男2人兄弟で育った私には究極的には理解できない物語なのかもしれない。
それでも十分に楽しめた。
移動時間の合い間に、少しずつ読み進めたので一気にのめり込んだという感じは無いが
物語の重力は相当のものがあった。ラストの掛け合いは東野圭吾「容疑者Xの献身」を思わせたな。
娘は、母を許さなくていいの。
許すという罠に溺れたのが、結局どちらだったのか。
この先、紗英と鞠絵とどちらが幸せに生きられるのか。
私には分からないのだ。