2011年の初・恩田作品。戯曲ってのは、やっぱり面食らうので
普通の小説が良いな。「木曜組曲」の様な会話劇を読んでた時は
誰のセリフか分からないや、って思ったけど、「猫と針」の様な
台本で誰のセリフか明示されていても、そこを読むのが億劫なの。
会話だけ追ってたいの。
あまりのネタバレは無粋だけれど、鍋2つの怖さって
「まひるの月を追いかけて」の実は妙子でした! って仕掛けに近いんじゃないかな。
あり得ないモノがあり得る不条理の怖さ。
“理瀬”シリーズの不条理は、あの学園の閉塞感そのもの。
「黒と茶の幻想」での不条理は作中で明かされる数々の謎や、彰彦の周囲の男性と紫織の関係や、憂理の存在か。
文庫化にあたって、舞台化の際の演出家があとがきを書いておられるのだが、
その中に舞台を見た人の感想としての恩田評が的確な表現だったので、ここに参照して締めとしよう。
訳わかんねえけど、引き込まれたなあ、みたいな。