出だしは巨匠・大森宗俊の映画作り、と言う芸能ネタで新堂冬樹みたいな話かなと。
ただし、これは中山七里。どんなミステリになるのかと思っていたが、意外に最後までミステリ色は薄かった。
登場人物が多く、キャラクター過多な感は否めないか。
鼻につくプロデューサー、横車でキャスティングされたヒロイン、そして無能なチーフ助監督。
彼らを間引いたのは誰だ。大森信者が犯人だとすれば、主人公の映一を筆頭に、五社和夫、小森千寿・・・
六車圭輔も2人に隔意あった訳だ。犯人と言う格に見合う登場人物としてはヒロインの妹の麻衣も。
最後の最後までミステリと言うよりは、映画好きに贈る物語って感じ。
シンプルな中山七里も悪くないか。
製作委員会方式。産業としての映画。
DVDなどの2次収入こそが稼ぎ頭になる昨今、映画化は謳い文句の一つに過ぎず、
相応のリスク負担の護送船団方式で凡庸な航海が保証されると。
この辺りはコンテンツ担い手として、痛烈な批判なのかな。