絶叫

葉真中顕・光文社

2017年はなかなか読書の時間を持てなかった。過去形にするのはまだ早くて、今年もどれだけ読めるやら。
正月休みに久しぶりに図書館へ寄って、借りたいリストを照合。辛うじてヒットしたのがこの1冊のみ。
と言う事で、初読みの作者。男性なのか女性なのかも知らず、読後は女性なのかと思ったが、男性でした。

タイトルの絶叫、というのは「私を見て!」というテーマなんだろうね。
章ごとに◇と◆で視点を変え、また・で証言者のコメントを挟む、という多層性の作りにした構図は
まぁまぁ面白かった。さらに◆の章で敢えて陽子に呼びかける書きっぷりにしているのも、何かの意図があるのだろう、と
思っていたけれどそういう事でしたか。

この視点のストンは、道尾秀介だったり辻村深月だったり、最近では「スマホを落としただけなのに」なんかもそう。
面白かったのだけど、もうこれでけでは満足できなくなってしまったのは贅沢な悩みだろうか。

(18/01/02)


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