なかなか読む時間が取れずに図書館への返却日ギリギリに読了。
雑誌連載だけあって、◇で短く区切られているのでテンポよく読むことができた。
架空のスポーツを文字だけで表現してしまう迫力は圧巻。
村上龍の戦闘シーンも然ることながら、何となくはイメージできるんだけど
作者のイメージとシンクロしているかどうかは微妙。
これが恩田陸の建築物の描写だと、さらに自信が無くなるんだよね。
スポ魂ものとしては、次から次へと迫りくる試練に立ち向かう樹クンにお疲れ様。新たな旅の先には、また強い敵が待ってるのかね。
シリーズ続編としては、前作から引き続き登場するキャラに各々の落ち着き先が見えてきたみたい。
小塚姉妹と永田クンの陰は薄いけどね。
完全無欠のお嬢様・理奈はイメージ的に辻村深月「冷たい校舎の時は止まる」なら桐野景子、「図書館戦争」シリーズなら柴崎麻子。
その理奈の父親の達観ぶりは謎だ。母親は登場もしてないんじゃないか?
また藤代家では唯一、“掃除”に絡んでこない沙月が取り残された感があるね。まさか続編で化けるとか?
作品群を跨いで登場する、石祖開祖などはこれからの活躍も楽しみ。
寺西顧問の“身削ぎ”も、「失われた明日」で居留地の陰族の風習として出てきたね。つながった世界観と見て良いのだろう。
同じく古楽器に通じると思われる古奏器に代表される、『音』への思い入れも感じられた作品。
この三崎ワールド好きだねぇ。ある意味これだけの妄想力は凄い。
ちなみにスポーツごみ拾いという競技が本当にあるらしい。鶏タマゴじゃないけど、最初はどっちだったんだろうね。