クローズド・ノート

雫井脩介・角川文庫

物語って大団円で終わるから良いんだよね。
どう言うシーンで終わらせるのかなと思ったけど、ちょっと抜けてて良いじゃない。
ただし、この続きって、果たして幸せとは限らない。
石飛さんと香恵に星美さんを加えた三角関係。
葉菜ちゃんと鹿島さんの遠距離恋愛。
マンドリン部の活動も続けるのか、否か。

これは万年筆の話なのか、ってくらい序盤で盛り上げてしまったため、
可奈子さんもラストは全く関係ないのがちょっと寂しい。
この辺、映画では端折られてしまうんだろうか。勿体無い。
でも『魂=共感できるストーリー』と言うキーコンセプトの提示が必須だろうし。
他人の日記とか手紙とか、角田光代の「さがしもの」にもそんな話が入っていたっけ。

愛情ってちゃんと伝えなければ、本人が自分の中で意識している程には届いていないもの。
それは、そう言う気がします。
勝手に思いを重たくしても、膨らんだのは自分の責任だから、重そうにせずに持つ。
みたいなフレーズがあったけど、けだし名言。

これって沢尻エリカ主演で映画化されてたんだよね、確か。
いろいろスキャンダルが出てきて借りられなくなる前にTSUTAYA行って来ようかな。

(09/10/04)

さっそくDVD借りて見た。
隆とリュウは逆にしたんだね。
万年筆も、葉菜ちゃんも、星美さんも、やっぱりあれだけ?
クライマックスのシーンも、あれでは香恵の行動は浮いてるし、
石飛さんも可哀相じゃない。
石飛さんに「私じゃダメですか」って言うのは、鹿島さんの行動の裏返しみたいな感もあるしね。
でも、沢尻エリカが抜群に可愛いので、全て良し。
ただ、それだけに記者会見の「別にぃ」は皆がガッカリしたんだろう。

(09/10/12)


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