難解な本です。映画を是非見てみようと思います。
不思議な死を遂げた兄の幻覚を見るユキ。
しかし不思議と思われたその死も、葬儀屋、清掃業者、国貞先生、山岸から
普通のありふれた死の一例に過ぎないと言われてしまう。
引き篭もりがちで、最期は食事すらする事をやめて夏の暑い部屋の中で
餓死して、腐乱した兄。実はコンセントを抜く事で内面世界を解放し
すべての世界と融合していたのでしょう。
ユキもその素質に目覚め、公園でコンセントを抜いてしまう。
結局、他人とのコミュニケーションが希薄な当世への風刺と言ってしまえば
それまでなのでは。
直接コミュニケーションで聞けないので、コンセントを抜いて
ホストコンピュータにアクセスする。
生々しいほどの直接コミュニケートは
周囲が抑えこみ、
病んでいる訳ではないのに
精神異常として片付けられる。
昔は良かった、というストーリーではない。
田口ランディが何に救いを求めているのかは分らない。
3部作だと言う本作。
次作を読めば、答えが紐解けるのでしょうか。
TBSで放送していたので映画を見てみました。
原作に忠実でしたね。だからこそ、難解な問題は映像化されても何一つ解けなかった。