須佐父   蓮が小学5年の時に女をつくって出奔。
添木田桜  7ヵ月半前の雨の日に交通事故死。
添木田睦男 再就職の途上で蓮の未必の故意で事故死。
添木田蓮  19歳。半沢の店で働いている。
添木田楓  中学3年生(14歳、来月誕生日)

溝田康文  再婚後、癌で病死。
溝田深雪  心臓病の手術後、2年前に海で事故死。 
溝田里江  深雪の死後、康文と再婚。
溝田辰也  中学2年生
溝田圭介  小学5年生

半沢    資産家の一人息子。レッド・タンの店長。
半沢妻   半沢の妄想、CM女優。
半沢娘(翔子)半沢の妄想。行方不明中の女子高校生。

高木先生  蓮が中学2年の時の国語の先生。スサノオノミコトのエピソードは今ひとつピンとこないのだが。
吉岡    蓮の不良時代の友人。半沢の正体を明らかにする重要な役割を果たす。


第一章
(一)雨のせいで、彼らは罪を犯す ⇒ 半沢は楓の元に現れ、楓に殺人を促させて、睦男の遺体を損壊する。
(二)雨のせいで、彼は家族を殺す ⇒ 蓮は未必の故意で睦男を一酸化炭素中毒により事故死させる。
(三)雨により、彼らの川は勢いを増す ⇒ 蓮は辰也・圭介兄弟を警察には通報せず、里江に連絡して引き取りさせる。
(四)雨により、彼女の殺意は生まれた ⇒ 楓は帰ってきた蓮に、睦男に暴行されたと嘘をつき、睦男を殺したと主張する。
(五)雨のなか、彼らは家を出る ⇒ 辰也・圭介兄弟が謝罪のため再びレッド・タンへ向かう。
(六)雨のなか、死体は移動する ⇒ 蓮と楓が睦男の遺体を遺棄。
(七)雨は龍に罪の証を届ける ⇒ 蓮と楓の死体遺棄の過程で、半沢が睦男を絞殺した際に用いた楓のスカーフが落ち、辰也(龍)の手に渡る。
(八)雨は彼らを失敗へと導く ⇒ 蓮と楓は死体遺棄の現場でスカーフの紛失に気が付く。
第二章
(一)龍の右手は赤く染まる ⇒ 辰也(龍)が持ち帰ったスカーフから血が滲んだ描写や、脅迫状、蓮と楓の旧姓、盗まれた楓の体操服、辰也の自慰など辰也犯人説のミスリードの数々。
(二)彼は龍の悪意と対峙する ⇒ 蓮は楓の部屋で脅迫状を見つける。半沢が書いたものなのだが「龍(辰也)の悪意」と言う章タイトルもミスリード。
(三)彼女を恨み、龍は生まれた ⇒ 圭介は深雪たちと海に行った時のビデオテープを見つける。圭介は里江が深雪の浮き袋に細工したのではないかと推測する。ちなみにそのビデオテープは前日に辰也が見つけ出したもので、辰也は深雪の死は康文の未必の故意ではないかと疑う。その疑念を払拭するため、里江(彼女)犯行説を自分に言い聞かせる。
(四)彼女を求め、龍は動き出す ⇒ 辰也(龍)はスカーフを入手した日に、楓(彼女)が何か事件に巻き込まれたと推測し楓に接触を始める。
(五)誰が彼女を龍に変えたのか? ⇒ 圭介は里江に自分の疑念を伝えるが、里江の返事はそれを否定するものであり双方傷つく。
第三章
(一)龍の棲み処を彼は知らない ⇒ 二通目の脅迫文。蓮(彼)が犯人が辰也(龍)である事を知らず、学校なら安心だと考えた事への警鐘のミスリードってことか。
(二)龍の目的を彼は知らない ⇒ 兄の辰也(龍)が恋心から楓に接近していると言う事を、圭介(彼)は知らない。辰也は圭介から実は告発文を見たと告げられ、家を飛び出す。
(三)彼は龍の正体に近づき ⇒ 吉岡の登場で、蓮(彼)は父親(睦男をミスリード、実は半沢)が2年前の吉岡の彼女への痴漢犯人だと告げられる。
(四)彼女は牙にかかる ⇒ 半沢は楓を攫いに来る。楓は辰也から(実は半沢からなのだが)脅迫されていると半沢に告げ、辰也の写真も提供する。
第四章
(一)墓は真実を語り ⇒ 睦男の人となりが霊園スタッフの口から明らかになる。
(二)龍は捕らわれる ⇒ 辰也(龍)は半沢に拉致される。
(三)彼は男の顔を知り ⇒ 霊園から帰宅した蓮(彼)は睦男の遺品から就職活動の一端を知り、吉岡に確認のTELを入れて男の顔が半沢だと判断する。
(四)龍は鬼の顔を見る ⇒ 辰也(龍)は鬼(半沢)に連行され、2つの脅迫文が半沢によるものが明らかになる。
(五)龍を捕らえたのは ⇒ 事件当日、帰宅した楓が睦男の遺体を見つけて蓮にTELを入れる経緯が明らかになる。しかし一計を案じた半沢が添木田家に到着。この場合の龍は遺体で、それを半沢が先に関与してしまったと言う事か。
(六)二つの首を持つ鬼で ⇒ 蓮はレッド・タンと半沢家を捜索し、半沢(鬼)の大学ノートが脅迫文に合致する事、翔子と呼んでいた女性が行方不明事件の被害者だった事が明らかになる。つまり2つの犯罪を犯していると言う告発か。
(七)首の一つは策略を練り ⇒ 半沢は睦男がまだ生きていると嘘をつき、楓に殺人教唆させる。
(八)彼は鬼の城の在処を探り ⇒ 辰也が拉致されたのを見ていた圭介も半沢家に辿り着く。圭介と蓮(彼)は半沢(鬼)の犯罪現場である建築工事中のマンション(城)へ。
(九)鬼は彼女との契約を交わし ⇒ 睦男の殺害を偽装した半沢(鬼)は、見返りに楓(彼女)を求める。
(十)龍は鬼の城で無言の叫びを上げ ⇒ マンション(鬼の城)に連れてこられ、楓の前で半沢に殺されそうになっていた辰也(龍)はあのスカーフを持ち出し捨てる事で活路を求めた。単に身代わりに巻き込むつもりだった半沢は、辰也が事件の一端に関与している事を知り動揺。攻めかかられた辰也は過呼吸症状が。
(十一)すべての流れは城の頂で一つになる ⇒ 蓮と圭介が登場。蓮は半沢の口から、睦男を殺害したのは楓に頼まれた半沢自身だと聞かされる。その後の揉み合いで半沢は3階まで落下。絶命直前に半沢は、実は半沢到着時に睦男が蓮の仕掛けで既に死亡していた事を告げる。
終章
(一)川の終わり ⇒ 蓮は睦男殺害のために購入していた練炭で自殺しようと試みるが、事件前の時点で既に楓が中身をすり替えており実現ならず。110番通報する。
(二)龍神の雨 ⇒ 辰也と圭介が聞いているラジオニュースによると、この雨のせいでクレーン車の事故である一帯が電話不通となっていること、荒川下流で男性遺体が見つかったことが明らかになる。恐らく蓮の自首の110番通報がつながらず、遺体は睦男であると思われる。


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