あまりにも有名なカエサルの「サイは投げられた」をもじったのか、『ダイスをころがせ!』
やけに文中でダイス、ダイスと繰り返されるのには辟易しました。
正直言って作者が「ホワイトアウト」の著者って分かった時点で、
かなり否定的な見方をしてしまいました。
原作は読んでないんだけど、映画の「ホワイトアウト」は荒唐無稽な
ヒロイックムービーだったんだもの。織田・松嶋なら何しても許されるのか?ってね。
だから今回も最後は主人公(は駒井なのか、天知なのか?)が当選して
終わりかなと思っちゃった訳。菅原も、松永も読めたけど、
ラストをあそこで止めたのは、それはそれで逃げた様な気もするね。
文中で選挙区と建築業界、新聞社などは仮名だったけど、
議員やテレビ局(テレビ静岡)は実名だったね。
どういう基準の使い分けだったんだろうか。正直に許可もらったの?
実はこの本、会社の先輩の読み終わったのを頂いたんですが、
その先輩もちょうど34歳。でも、実際の34歳はこんなに熱くはなれないってさ。
確かになぁ、憤りは共感できるけど、例えば有休もらって選挙活動を手伝いますってテンションにはねぇ。
都議選前に読み切って良かった。そう言う目で選挙戦を眺める事ができます。
もちろん地方選挙と国政選挙の別は文中にも語られていた事ではあるけどさ。
9月に郵政法案可決して解散って噂もあるしね。
所得控除の改革で、実質サラリーマン増税って吊り広告には呆れたものの、
確かにこんな政治家を選んだ(あるいは棄権してのさばらせた)有権者の
参政権の運用失敗のツケって感じはするよ。
ふるさと創生1億円や地域振興券って何だったんだろうね。
でも、彼らを立法府に送りこんだのは我々有権者な訳で。
確かに選挙制度の弊害で、一夜に取って代わる訳にも行かない。
でも一票で何が出来るって棄権しては始まらない。
投票に有意性を見出したいなら、政党に属するなり、利益団体に属するも良し。
そんな苦労もせずに不満ばかりを並べてても現実は変わらないと言うこと。
ODA予算が少なすぎて常任理事国入りは相応しくないって非難されている日本。
でも国連負担金はダントツ。だったら負担金を減らしてもらって
ODA予算に回せばって思うけどね。その辺りのアンバランスさ加減が日本の政治力の限界かな。
読後の感想では無くなってきてしまったね。
ま、軽い爽快感は味わえる一冊かな。正直マキやサキの心中にはちっとも共感はできなかったし、
樋笠や安本らの熱の入れ様もあり得ないと言ってしまえばそこまでなんだけどね。