短編集のタイトルに選ばれた、最後の写真館の話に総括される通り、家族の悲喜こもごも。
読みやすく、移動の電車の中で読むのには最適な1冊だ。
家族だから言えない、家族だから言いすぎちゃう。家族だから許しちゃう、家族だから許せない。
いろんな家族の距離間。
●娘を嫁にやるお父さんの葛藤。そりゃ意地悪にもなるのだろう。
●少しずつ向けられた優しさに気付くお父さん。波平さんは、決してリストラされない日本のお父さん。
●一家でのダイエットには成功しそうに無いけど、仲良し一家には愛がある。食欲もある。
◎木村文乃の出てたドラマ「マザー・ゲーム」の檀れいの様に、問題児を抱えた家族の余所行な偽装に本当の幸せを考える。
●擬似家族で日常を取り返し、更にそこからの脱却を図り新たな一歩に踏み切る中年おじさん。
●娘のデキ婚と自分のリストラに悩むお父さんに、何だかんだ付いていく一家。優しさはしりとりで。
●田舎の写真館と病んだ父を守るための姉兄妹の3兄弟と、老母の愛憎。
振り返っみても、良いことばかりじゃないが、理屈だけじゃないのが家族。
逃れられない絆なら、明るく前向きが良いね。