神田君がなぜ必殺仕事人になろうとしたのか、そして仕事人に見合う能力があるのか、その辺がやや弱い気もする。
これはシリーズものなのかな。「WILL」を読めば、どの辺が補完されるのか。
神田君よ、キミは学生なのになぜにそんなに擦れているんだ?
まるで伊坂幸太郎の「死神の精度」に似た雰囲気を感じた。
独りで3LDKに住んでいる身としては、3つ目のエピソードが堪えた。
無為な人生を重ねるだけの今が、何か間違っている。でも、どこで間違ったのかが分からない。
こんなはずじゃなかった、というもどかしさ。痛いほど伝わって来ちゃったよ。
父親が病院に入院していた時期があるので、病棟の描写は何となく伝わってきた。
やっぱり病院ってどこかしらに負のオーラが溜まっているよね。
病院を出る時は2つのパターンがある訳だし。森野たちの仕事も待っているのは事実。
村上春樹の喪失感とも違うけれど、どことなく切なさが漂う作品の中で、
2つ目のエピソードの饒舌な警官が微笑ましかった。
この作品はキャラクターが大事に描かれていたように思えた。次は「正義のミカタ」を読む予定。