ドラマを第4話目まで見たところで、ラストまで待ちきれず図書館から借りて読了。
原作とドラマはやっぱり少し設定に差異がある。
時期:(原作)クリスマスを控えた僅か10日間ばかりの物語/(ドラマ)監査の直後だから新年度?
ルージュのルーツ:(原作)花房師長が渡した口紅/(ドラマ)デパート火災事故で運び込まれた患者たちの返り血
ジェネラルに反旗を翻すのは:(原作)佐藤/(ドラマ)長谷川
業者との癒着の露呈:(原作)速水の自白と花房の告発/(ドラマ)ジャーナリスト
速水と同期なのは:(原作)田口/(ドラマ)白鳥
原作版でチュッパチャップスがオチになるのは読めた。小さな伏線が張ってあるのはフェア。
黒崎教授もお久しぶりじゃない。ちょっと良いとこあるね。彼も医者だったと。見直したよ。
原作のテーマはコンプライアンスとエシックスと言う制度が効果的に運用されているか警鐘を鳴らし、
形骸化された組織のための組織に成り下がっている現状を非難したんだろう。
「チーム・バチスタの栄光」でも医療現場の過酷さを焙り出していた。
勤務医として厚労省へ言いたいことはヤマほどあるんだろうな。
政権交代しても、その辺はあまり変わり無し、かな。
AI(オートプシー・イメージング)を推奨するようなところも「チーム・バチスタの栄光」と重ねて見えた。
この作者はよっぽどAI推奨派なんだろうな。三船事務長のセリフも借りて後押しするくらいだから。
ドラマ版の田口は課外活動が多すぎる。外部で聞き込みだなんて、刑事じゃないんだからさ。
周辺キャラクターにも差異があり、ドラマには島津がいない。勿体無いキャラだけどエシックスを省くとなると已む無しか。
姫宮もドラマでは割愛されちゃってるしね。味のあるキャラなんだけどな。
ドラマはまだ完了してないけれど、速水(西島秀俊)と花房(白石美帆)はくっつかないだろうな。
ドラマじゃ、速水を守るのは弥生(浅見れいな)なんじゃないかな…、と思ってたら第5話目で不穏当な空気。
業者との癒着は裏金だけでなく、政治家を巻き込んだ業者の病院設立に発展していく。どんなクライマックスを迎えるのかな。
映画版も気になるから、ドラマを見終えてからチェックするかな。
■ドラマを見終えて■
ドラマ第6話で例の告発文が。和泉でしたか。速水に救ってもらった過去を絡めてとは、それもまた魅せるね。
原作では救命にも利益を出させようとする病院経営に対する批判、あとはコンプラとエシックスへの形骸化に対する批判がテーマの様に感じた。
ドラマでは救命現場の限界、そこに診療報酬を絡ませようとして政治性を高めようとしてるのかな。これがストンと落ちるのか?
PCBや、トリアージ、厚労行政、いろいろ盛り込み過ぎって気もする。
本当の殺人事件を2つも巻き込んでしまっては救いようが無い。これで真犯人が花房だとしたらあんまりだったけどね。
速水先生も重病人にされちゃって。ラスト2話では三船事務長の存在感が薄いし。
白鳥さんと田口先生も私立探偵並みのフットワークの軽さ。そんなに院外での時間が取れるわけ無いだろー。と無粋に突っ込む。
ドラマ版のみドクターヘリが飛ぶのを見ることなく終わる。白鳥さん頑張れよー。
速水先生もチュッパチャップス供与のペナルティで赴任するのではなく、
花房も着いて来ないで解雇された上に治療を兼ねての赴任では『凱旋』できるのか?
「ジェネラル・ルージュの凱旋」って、未来の復帰の事だと思うのだが。
■映画を見終えて■
ドラマ最終回を見終えてから映画版もDVDを借りて見た。
尺の問題から、映画版は周囲のキャラクターを描ききれてないね。
あれじゃ佐藤ちゃんの苦労にも共感が少なかろう。速水と同期(原作は田口、ドラマは白鳥)と言うヨコ繋がり設定もカット。
だから白鳥含めて、キャラクターが淡白。ただしグロリアス・セブンの絡め方は映画版のみのおまけだね。
別に礒辺が殺される必要は無かったように思うのだが。こうしてみると原作が一番平穏。
映画もトリアージはどうしても入れたかったのか。海堂さんの主張なのかな。
結局は、姫宮というキャラの出番など含めてやっぱり原作至上主義は変わらないかも。