年はこう取りたいね、宮じい。
「図書館戦争」シリーズの有川浩。ライトノベルの女王が、どんなミステリを? と思ったけど
やっぱりライトノベルなんだな。軽い。でも、それは悪い意味ではなく。
主人公の一人である、高巳のノリの軽さは物語を陰鬱なモノにせず、それでいて軽薄な訳ではない。
これは失ったものを取り返す物語なんだな。
瞬と佳江。ディックとフェイク。高巳と光稀は飛ぶための空を。真帆は親の愛を。
【白鯨】はあのまま消滅して終わるのかと思ったけど、それではラストの高巳のニンマリ顔につながらない。
これもライトノベルたる所以か。
解説で新井素子もベタ褒めしていた様に、『龍馬伝』が記憶に新しい土佐弁の応酬が心地良かった。
特別書き下ろしも含め、これはなかなか素敵な1冊でした。