さよならの手口

若竹七海・文春文庫

先輩からのお下がりで初読みの作者。序盤は結構苦戦したのだけど、終盤にかけて面白さが爆発。
一貫して主人公視点で物語が進むんだけど、愚痴っぽい独り語りが良い味付けになってる。
登場人物が多いし、二転三転、謎がてんこ盛り。いろいろ練り込まれた大作だ。
そして綺麗に伏線を回収する手際の良さ。解説にある、原価率の高い小説、と言うのも頷ける。

移動の電車の中で細切れで読んでいたので、話が飛び飛びになってしまい
張り巡らされた謎を100%掌握できていない部分はある。
丁寧に一つ一つ味わうだけの余裕がないのが残念なところだが、スケールの大きさは十分に楽しめた。
13年前の葉村シリーズ前作も、いつかチャレンジしてみたいと思う。いつか、ね。

(15/03/05)


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