そのときは彼によろしく

■遠山智史
 両親の結婚後10年目、父親が50歳、母親が43歳の時に生まれる。花梨より43日だけ誕生日が早い。  中学2年生の時に佑司と花梨に出会う。中耳炎を患っていた。父親の競争につき合わされていたため、走るのが速い。2年生の冬に父親の転勤が決まり、2人と別離。  17歳の時、パラグアイから花梨の手紙を受け取る。最後の手紙の3ヵ月後、母親を亡くす。  大学3年生の秋にゼミの先輩と初体験。  アクアプランツショップを経営。29歳の時に花梨、佑司と再会した。  34歳の時、父親を亡くす。  35歳の時、父母の霊園で、目覚めて2ヶ月の鈴音と出会う。  40歳の時、ニュー花梨の入学式に参列する。そして40歳の冬、花梨が帰ってきた。 

■五十嵐佑司
 父親は売れない作家。佑司が小学5年生の時、母親は愛想を尽かし出て行ってしまったが、佑司はいつか迎えにくると信じている。  小学3年生の時に池で溺れて意識を失うが、花梨によって「あちらの世界」から救い出される。  智史の中学2年生のクラスメイト。花梨とは小学5年生、6年生のクラスメイト。苛められていたのを花梨に救われて以来の友人。父親譲りの眼鏡をかけている。絵を描くのが上手い。  智史の母親(美和子)に懐いていた。  町を去った後の18歳の時、父親を脳の血管の病気で亡くす。トラッシュ(初代)もその頃死亡。  母親から個展開催を持ちかけられるが、企画途中で頓挫し、結果的に金を持ち逃げされる。  29歳の時、脳の血管が破裂し意識不明の重態に陥るが、花梨の力によって意識を回復する。  隣人だった4歳年下の桃香とその後結婚し、33歳の時(花梨の眠りから4年後)に一女を儲け花梨と名づけた。花梨の入学式の年、佑司の母親が病死する。

■滝川花梨
 誕生日は8月16日。  9歳の時に一つ年上の姉、鈴音が眠りから覚めなくなる。  歯を矯正している。  17歳の頃、パラグアイへ引越して智史へ手紙を出す。大学時代に帰国し機械工学を学ぶ。在学中に母親の姓と姉の名を取り『森川鈴音』の芸名で芸能活動(モデル)を行っていたが、29歳の時、睡眠発作の症状が酷くなり芸能活動を辞めて智史のアクアショップに現れ店員として働き始める。意識不明の佑司の救出と引き換えに、夢の世界への旅立ちを決意する。  眠りから11年(智史の父親の死から6年)の後、智史の下に帰ってくる。

■柴田美咲
 結婚紹介システムで智史が知り合った女性。智史の3つ年下。叔母の経営するアロマショップに勤めていたが、叔母と渡仏し智史との付き合いは終了。その後、彼女を追って渡仏した夏目と結婚し一男(智史の父の葬儀の年に3歳)を儲ける。

■夏目くん
 智史のショップの店員。誕生日に姉から受けた託宣で、タイヤメーカのアジア地域の統括マネージャの職を辞して、智史のショップに転職する。高校の同級生、美咲との出会いがその後の人生を変える。美咲の渡仏の1年後にフランスへ渡り結婚。

■奥田くん
 智史のショップの常連客だった。智史が34歳の時(父親の葬儀の年)スタッフ3年目で、スタッフ6年目に体調を崩して退職。療養中に受験し大学生となり、30歳を過ぎて無事卒業した。

■ライナス
 カフェ『FOREST』のアルバイト店員。ルーシーと言う名の姉を愛している。智史が32歳の時に忽然と姿を消した。

智史が耳を、佑司が目を、花梨が歯を患っているのは何かを意味するか?
セリフを「」書きじゃなく、ト書きにして独り言っぽく表す特徴的な文体、悪くない。
後半は急展開(当たり前)。
美咲と花梨の遭遇
佑司の意外な消息
花梨の旅立ち宣言
美咲の旅立ち宣言
夏目くんと美咲の遭遇(その伏線は巧妙に織り交ぜられていた)

シンクロニシティで恩田陸に通ずる感も(@夏目くんと美咲の邂逅A花梨と鈴音の夢) アナザヒルの世界観は「ネクロポリス」だか「ユージニア」かにも通じないか?未だ読んでないけど。

花梨の出発
夏目くんの出発
父の旅立ち
帰ってきた鈴音

旅立っていたライナス
旅立った鈴音
佑司と桃香の花梨
そして帰ってきた花梨

佑司の母は出ていった、智史の母(美和子)は亡くなった、花梨の父(滝川さん)は鈴音に捕らわれてしまった。


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