先輩から借りて一読。
大沢在昌が解説を書いている。つまりはハードボイルド。
私の苦手な分野ね。どうも書き手の自己満足な感じがしてね。
ところが今回は舞台が仕事先である渋谷で、妙に細かい地形描写などが頷けて、そこが楽しい。
でもストーリーはいささか短絡。
荒削りな主人公に都合が良すぎないか。ヒーローなら何でも許されるのか。
上京してきたヤクザの頭目を向こうに回して、高校生の智恵で出し抜くってのはね。
もちろん単純な抗争ではなく、三つ巴に仕組むあたりは舞台設定にも工夫はあるのだけど、
折田への義理立ても根拠薄弱じゃない。
解説にある通り、エピローグも軽い。
それでも、1クールの連ドラの脚本とかには良いかもしれない。
先輩からは同じ著者の別の1冊も貸してもらったのだけど、先に恩田陸で一服させてもらおう。