先輩からのお下がりでなければ読まないであろう時代物。
さらに落語がネタと来ている。
ところが、これが読んだら面白い。粗忽長屋のキャラクターたちのテンポ良い会話が乙。
まるで漫才のようだけど、これを落語家は一人でやるんだから凄いよね。
幕末の歴史上の転換点に粗忽長屋の面白キャラたちが一枚噛んでいるという
もちろん牽強付会な展開なのだが、分かっていても面白いんだからお見事。
解説の有栖川有栖の一押しポイントは、私とはツボは違うけどね。
メジャーな落語タイトルを下地にしているので、普段この手の時代物を読まない私も
すんなりサクサク読めた。
望外に楽しめた一冊。
でも、たぶん自分ではやっぱり選ばない一冊でもある。