相変わらず「震える牛」は借りられそうな気がしない。
先にこちらから図書館で借りて読む。
東日本大地震、スマホ、クラウド、アローヘッドなどなど。小説の中に飛び交う「今」の言葉たち。
舞台が「今」と言う臨場感は感じた。
その一方で、技巧的にはそれ何かを指しているのだけれど具体的に描かず
実は・・・と言う含みを持たせる記述が多く、食傷気味。
映像だとこうはいかないから、小説ならではの表現方法ではあろうが。
映像だと映画「リング2」のように、ハッと脅かしといて何だ見間違いか、と言うシーンが続くようなヤキモキ感。
(この気持ち、通じるかな)
テーマを詰め込み過ぎだとは思うけど、話はトントン拍子に進んでいくし、
ミステリとは違って淡々と頭を悩ませずに物語の流れには乗っていける
矢吹の側にも大義はあり、今回はそっちが勝ってしまうと言う事なんかね。
今一つ実働部隊の説得力に欠くように思えるけど。
官邸チームの方は審議官だの、理事官だの、管理官だの、参事官だの、いろんな官僚が出てきて大変。
誰が誰より偉いんだ?
秘書官の新田が一枚噛んでいて、わざと素人を連れてくると言う工作を行うものの、
その坪井の旧知の田山理事長が大事な役目を果たすと言う逆転のストン。
囚われの鶴丸社長の掌紋を取りに行くシーンなんかは、映像化を意識した見栄えを求めたのかもしれないけど
何だか唐突な気はした。誰にスポットライトを当てるのか、もう少し絞り込んでも良かったのかもしれない。
でもまぁ、「震える牛」もこんなノリで行くんだろうと言う予想はついた。
図書館で見つかるのはいつになるかな。