六月の夜と昼のあわいに

恩田陸・朝日文庫

うーん、よく分からん。スピリチュアルな物語が連なる。
まぁ、長編でこれをやられるよりは良いのかな。
中には、他の恩田陸の作品に似通っているモノがあると思う。
恩田陸の中にあるイマジネーションが、手を替え品を替え表現されていると言う事なんだろうか。
それとも読み手である私が、多様な物語の数々を類型化しようとしてしまっているのか。

ただし、恩田陸のみならず、伊坂幸太郎、阿刀田高、米澤穂信らにも通じるモノがあると感じる辺り
やはり類型化を図ってしまっているのか。そこにオリジナリティは存在しないのか。
奇しくもまえがきで書かれている通り、「オリジナル」や「コピー」の概念については、今や論議するのは無意味なのか。

何だかんだ言って、結局好きなんだろうけどさ。

○Y字路の事件 「ユージニア」か「Q&A」に似てる。

○約束の地 「不安な童話」と通じるモノを感じる。

○窯変・田久保順子 伊坂幸太郎「あるキング」みたい。それにしてもM78星雲って・・・。

○夜を遡る 伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」みたい。あるいは「月の裏側」や常野物語シリーズや、
「かたつむり注意報」に通じる自然界のパワーへの畏怖か。

(12/11/11)


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