彼女は存在しない

浦賀和宏・幻冬舎文庫

彼女は存在しない。ここで言う彼女とはいったい誰なのか。

スプラッタームービーと言うか、ホラー映画と言うか、後味もスッキリはしないし、覚悟して読んだ方が良い1冊。
途中までは今邑彩「ルームメイト」みたいな話なのかなと。
登場人物は限られているので、この中でどんでん返しをしようとすれば、自ずと限られてくる。
想像しながら読むけど、これは当たらなかったな。

結論が分かってから読み返すと、ところどころに仕掛けられている伏線が巧妙。
まさか「笑いの報酬」まで伏線になっていたとはね。あとは黒のストラップとか。
しかし有希が気付いたのは3週間前からと言うけど、香奈子と貴治の付き合いはそれ以前からの様に思うがね。

仕掛けは秀逸なのかもしれないけど、面白みに富むかと言うと、私はそうでもないかな。
玄人好みの技巧作なんだろうけど、エンターテインメントとしてはもう一歩かな。

(13/10/14)


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