遂に手を伸ばした芦沢央。まずはデビュー作から味わいましょう。
直前に読んだ薬丸岳「ガーディアン」も学校イジメに関連するテーマだったが、あれは教師目線だった。
今度は、被害者の親目線。
エピローグが無い方が鮮烈。
聡が生きていた事で後味の悪さは薄まるが。
真帆の手紙で、加奈のパソコンの遺書も必ずしも本心ではなく、
事故死に近いという種明かしがあったというラストなのだろうが。
それとて悔恨の解消とはなるまいし、却って空虚な思いをするのではなかろうか。
そうだとしても。
ずっと気になっていた、芦沢央の初読みは満足度高し。
登場人物が少ない分、物語に重力がある。
グイグイと引き込まれてしまった。
早苗のキャラ立ち位置は、確かに賛否両論かもね。少し便利に立ち回り過ぎた感はある。
映画版も見てみたいな。