「殺人鬼フジコの衝動」が読みたかったのだが、図書館で見当たらずにデビュー2作目のこれを借りてきた。
まぁ、読後感はドロドロですっきりはしない。沼田まほかる、今邑彩や桐野夏生の様な感じ。
生きる意味を問うているが、この物語は逆説的に家族のためと導きたいのではないか。
絵里子の父の再婚も、そんな意味があるのではないかな。
心中、子殺し、宗教に行き過ぎた教育熱。閉塞感のオンパレードでとにかく暗い。
ミステリとしては、Aこと河合隆司と久保誠人のミスリードは、途中からそんな気もした。
Aが命を落とす西池袋事件と、それを過去の事として話題にする2つの異なる時間軸。
章ごとに互いを織り成し、紡がれる久保と吉沢の物語。
渡辺早苗のみがどちらの事件にも関わっている。
物語の幕を閉じる役割を果たすのは、その早苗。
「殺人鬼フジコの衝動」も同じ様な展開のドロドロしたハナシなんだろうな。
こちらの精神状態が万全な時じゃないと、ダークサイドに取り込まれてしまいそうだよ。