氷菓

米澤穂信・角川文庫

古典部シリーズの第1作目にして、米澤穂信のデビュー作。
嫌いじゃないけど、でもツッコミどころ満載じゃないか?、コレ。
榊原郁恵か。アイスクリーム、ユースクリーム、ってか。

福部里志はいつのまにか総務委員会に入った? p134の自身のセリフが唯一の説明の様だが。
ちょっとした実験をしようと、内からロックできる教室を探していたのが総務委員の仕事だったか?
そして失踪したカンヤのその後は?
書肆ってなんだ? 百日紅家よ。え、本屋の事?

そもそも最初のエピソードである“密室に閉じ込められる千反田”が成立したのは、
教室のドアは内側から鍵がかけられないから。
ところが遠垣内は壁新聞部の部室の鍵を内側から閉めている。
これにはガッカリ。おいおい、設定台無しじゃないか。

格技場の古さは伏線でしたと。
ラストの弓道場も2作目のフリなのかな。唐突だけど。

供恵に向けた手紙、あれはつまり醒めていた自分が抱いた後ろめたさ、
それを姉が払拭してくれたかどうかの確認?
精神操作とは、いったい・・・?

いろいろ言ったけど、それでも面白いんだ。会話のテンポも良いし。
十文字家、百日紅家、千反田家、万人橋家、入須家、遠垣内家、程好い胡散臭さが漂うバイプレイヤーも整え、
未読の2作目、4作目にも期待してるよ。供恵がもっと前面に出てくると、更に荒れるんだろうな。
桁上がりの4名家を増やすとしたら「億劫:おっくう」「百千万億:つもる」とかが実在する人名みたい。

(10/09/18)


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