クドリャフカの順番

米澤穂信・角川文庫

怒涛の米澤穂信特集。古典部シリーズ3作目。もう順番度外視で濫読。
ただし、作中に1作目の「氷菓」事件、2作目の「女帝」事件がチラホラ触れられるものの
ネタバレもなく、3作目から読んでも支障は無かった。

「犬はどこだ」「春期限定いちごタルト事件」に比べると事件・事故も穏やかで
もちろん人も死なないので、一番明るく楽しく読めた。
それでいて、ふくちゃんの「データベースは結論を出せない」と言う自虐や、
諦観と表裏一体の『期待』など、少しネガティブな空気が米澤ワールドなんだな。

それにしてもだよ、省エネ主義のホータローが、初対面の先輩に向かって論戦を挑んだり
安城、陸山と呼び捨てと言うのは如何なものかね。

あとは古典部OGたるホータローの姉上が、何故に『夕べは骸に』を持っていて
このタイミングでホータローに差し入れることができたのかが謎。
壁新聞を読んでいるところを千反田に目撃されたのは土曜日の朝。一度自宅へ取りに戻ったのか。
それとも摩耶花がなくした1冊をホータローの姉上が持っていた? そっちの方がミステリだな。

「わたし、気になります」

私はこれからの古典部シリーズの続きが気になります。

(10/09/04)


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