小泉劇場の下、確かに格差は助長されて、一度の失敗から這い上がる事は非常に難しくなった。
転落のスパイラルからの浮上は難しく、格差は構造化され、恒久化される。
ワーキングプアが最頻値とも言うこのご時世、いつ我々が次の主人公としてスポットライトを浴びるか分かったもんじゃない。
それは売れっ子作家も然りだろう。
そんな危険は誰にでも起こりうると思えば、J・ロールズが唱えた様に「無知のベール」に包まれた人間は
再分配によるセーフティネットに供出する事も厭わないだろうか。
今回の選挙は非常に楽しみだ。
文庫版解説の自作解題が面白い。
やっぱりこうした舞台裏、ネタ下があると種明かしの様で楽しい。
4TEENでの直木賞受賞後の第1作目だそうだ。随分とシニカルな作品に仕立て上げたもんだ。
窮鼠猫を噛む。安全確実な場所から、エンターテインメントを観劇してる間は良いんだが、
他人事と安穏としてもいられないのが、今のこの世の中なんだろう。
いつ、自分の「LAST」が訪れるのかは分からない。