最後の証人

柚月裕子・宝島社

これまた初読みの作者。
組織ぐるみの隠ぺい事件をきっかけにヤメ検弁護士へ転身したエースが
古巣の検察を相手に法廷で闘うという物語。
彼は被告を弁護しているようで、実は過去に秘められたある真実を暴こうとしている。
まぁ、被害者がそっちかい!という点がストンではあるが、基本的に素直に読める。

法廷対決は、ヤメ検弁護士が勝利するのはご都合主義としても、
元上司が自信を持って送り込んだエース真央の負けっぷりが呆気なくて。
オチの部分の被害者の着衣の血痕の残り方なんて、よくよく調べれば気付くべきだろう。
ミステリ色は薄い、法廷モノとしてはまずまずなのかな。
ヤメ検弁護士を手伝う小坂というキャラも、イマイチ地味なのよね。必然性が無いと言うか。

「蟻の菜園」という作品を読んでみたくて図書館へ行ったのだが、
とりあえず本作と「検事の本懐」の2冊を借りてきているので、まずは続けて読んでみるかな。

(14/10/16)


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