失われた町

三崎亜記・集英社
【()内は月ヶ瀬町消滅時点の年齢】
坂上由佳(15)
 月ヶ瀬町の消滅で潤を失った事から、消滅に抗うために後に管理局入りする。
 月ヶ瀬町消滅から2年後に潤からの「音の種」を手にする。月ヶ瀬町消滅の30年後の消滅時に調査員6号として消滅の連鎖を断ち切るべく臨む。
潤(15)
 月ヶ瀬町の消滅で姿を消した、由佳の将来を誓い合った相手。消滅直前に和宏に古楽器を、由佳に「音の種」を託す。姉は和宏の恋人。
藤島和宏(27)
 月ヶ瀬町の消滅から逃れた「免失者」。茜の紹介で風待ち亭で料理人として働く。町に取り込まれて27歳のまま記憶を留めてしまう。
 英明の妻による再魂で感情を取り戻す。
ひびき
 英明の息子。月ヶ瀬町消滅の2年後に生まれる。その後自らの意思で分離する。分離者だった母親の「本体」は古楽器の再魂も生業としており、
 石祖開祖の古楽器や、風待ち亭では和宏の古楽器を再魂する。
白瀬桂子(33?)
 倉辻町の消滅から生き残った特別汚染対象者。管理局の書記官であり「消滅予知委員会」メンバー。澪引きを果たし、脇坂と結婚する。
 統監も務め62歳で没。
茜(25)
 回収員No.34として月ヶ瀬町を訪れ、そのまま都川に移り住み、中西さんのペンションを継ぐ。和宏さんを恋し、記憶を留めた後も彼の世話をする。
園田さん
 統監と桂子の理解者。月ヶ瀬町の消滅を予知できずに気を落とす統監を励ますシーンは脇坂を慰める桂子に重なる。

信也さん(40)
 回収員No.9として月ヶ瀬町を訪れる。のぞみを引き取る。
中西さん(65)
 史上初の分離者。相手は統監。月ヶ瀬町の消滅で妻と娘夫婦と孫を失う。風待ち亭を経営しており、後に茜と和宏と一緒に暮らす事になる。
脇坂
 居留地のある陰族に連なる御用映士。戒律を破った事で家族を失う。陰族から逃れるために『身削ぎ』により左腕を失う事になる。
 白瀬桂子と結婚した後、戦地で命を落とす。
のぞみ(3)
 月ヶ瀬町の消滅から生き残った消滅耐性のある女の子。信也さんと茜が発見した特別汚染対象者。信也さんが引き取り育てた。
 3歳の頃、月ヶ瀬町に取り込まれそうになった和宏の救出に手を貸す。月ヶ瀬町消滅の30年後の消滅時に調査員3号として消滅の連鎖を断ち切るべく臨む。
石祖開祖
 分離現象を起こしているようなハンドルマスター。澪引きの見届け人として管理局前の公園で桂子の前に現れる。「音の種」の醸造にも手を貸す。
横山勇治(15)
 由佳の「彼氏」だった。後に脇坂に帯同し俳優・長倉勇治として大成する。

プロローグは月ヶ瀬町の消滅から30年後、次の消滅から住人を救うプロジェクトが描かれる。由佳、ひびき、のぞみが参加。
エピソード1で中西さんと茜と由佳の遭遇。
エピソード2で桂子と脇坂の遭遇。
エピソード3で前統監と桂子と茜とのぞみの遭遇。和宏の汚染。
エピソード4は月ヶ瀬町消滅〜3年後。英明の2度目の結婚、ひびきの誕生。妻の最期を風待ち亭で迎える事に。中西さんと茜と桂子と英明とひびきの遭遇。
エピソード5は月ヶ瀬町消滅から4年後。統監が前畑に替わる。桂子と脇坂は澪引きを果たし結婚。
エピソード6は月ヶ瀬町消滅から6年後。勇治と由佳が高校以来の再会。勇治と脇坂の遭遇。脇坂と桂子が結婚の報告で居留地を訪れる。勇治がのぞみの体内に「音の種」を固定化する事に成功する。
エピソード7は月ヶ瀬町消滅から13年後。のぞみが自身の秘密に気付く。由佳・桂子と和宏・茜と英明・ひびきとのぞみ・信也さん(・弓香)が一堂に会す。


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