東野圭吾好きな女の子が言ってた不倫モノって、この作品の事かな。
どこまでが浮気で、どこからが不倫か。そんな線引きは有って無きが如し。
奥さんも知ってて知らぬ振りをしているのか、それは神のみぞ知る。
だいたい男は隠し事が下手だと言うしな、新谷氏が言うように早まってはならない。
もっとも、新谷氏の底意は「おまけ」で明かされるのだが。
未婚の私には不倫の資格すら無い訳だが…、と書いててふと考えた。
旦那のいる女性と恋愛したら不倫の片棒を担ぐ事になるので、資格はある訳か。
不倫も恋は恋。恋愛してないよりは良いのかね。
秋葉が迷いをふっきり、我慢しないと宣言するシーン。
あれには男は怯むだろうな。完全に「逃げ」のスイッチが入るだろう。
しかも殺人事件の真犯人かもしれないなんて聞かされたらいっぺんに醒めてくに違いない。
ミステリとして読むならば、最初から伏線は張られている。
「ごめん」と言えない不自然さ。浮気相手を殺すと言う激しい気性。
ところが中盤では渡部の不倫にばかり注目が行ってしまいミステリ色が薄れる。
終盤で釘宮が現れる辺りからミステリに回帰するが、やや迂遠な感が否めない。
仲西や芦原やマダム・カラフルのキャラ描写が少ないから、「実は…」と言われてもねぇ。
渡部家のここからのリスタートはどうなったのだろう。
何も無かった事にして新しい明日が始まるのかな。
結婚は失うものばかり。さもありなん。さはされど一度はしてみたいね。