これは高校か大学の頃に買って読んだ事があったのだけど、細部を思い出せない。
と言う訳で、正月休みに実家へ帰った時に見つけて手に取ってみた訳。
カギ屋、サブリミナル効果、マルチ商法(ちょっと違うか)、など複合テーマを
破綻無く書ききるのは宮部みゆきの真骨頂か。
宮部みゆきも好きだったんだけどね、結果としては宮部みゆきではなく恩田陸へ傾倒していったんだよね。
失踪した父親=吉武浩一というミスリードにまんまと引っかかる。
たぶん、最初に読んだ時もそうだったろう。と言うか、このからくりは到底気付けないだろう。
でも1点伏線が用意されているんだよね。分かる人には分かるのか。
それでも強引な点は多々あり、野村の経歴だったり、原沢老人のモチベーションや、
大企業の副社長室へ中学生が入れてしまう事などが気になるが、まぁストンと来るから良くできたハナシではある。