メタボラ

桐野夏生・文春文庫

2人の主人公の視点から、転落の人生が描かれる。
「東京難民」「人生教習所」「ダイナー」などと同じようなテイストを感じた。
墜ちていく小説は多々あれど、この作品の落としどころは何処なのか掴めぬまま
読み進めて最後のページまで来てしまった。
このラストの逃げ切り感は最近読んだ「ドミノ倒し」に似てるかな。
救いも無いエンディング、この作品を通して言いたかったことは何なんだろう。
タイトルの意味も、よく分からない。

家族も、恋愛も、人生ままならない、もどかしさだけは十二分に感じ取れたよ。
家の中で、静かな戦争が進行していたのだ なんかはフレーズ的には好きだったけど。
お陰で何だか疲れた。この厚さをこのテンションで読んでくのはしんどいな。
私はたまたま「切り裂きジャックの告白」と適度に併読していたのが良かったかもしれない。

桐野夏生はあまり相性がよくないと言うのが、正直な感想。

(14/5/5)


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