ハードカバーを図書館で借りてきたのだが、カバーの絵が怖い。
不条理短編小説。なぜか、登場人物がS氏ばっかり。
○鈴虫
S氏を殺したのは、実は…と言う驚き。
だけど、そのインパクト以外はあまりよく分からない。
ラストもちょっと消化不良。
○?(ケモノ)
家族の中で阻害されていると思い込んだ少年が、過去に犯罪を犯したS氏の足跡を辿りある事実に行き当たる。
特にラストで明かされた、家族への行動が何と…と言う驚き。
「母は大」の謎は、大=一人なのかなと推理したのだけど、大=犬でしたか。
読めば分かります。
やり直すべきだった。
狂気に走ってしまう前に、すべてを壊してしまう前に、取り返しのつかないことになってしまう前に−
家族と向き合うべきだった。
○よいぎつね
死んだのは? 殺したのは? …と言う驚き。
「花園メリーゴーランド」と「火の鳥」と「余にも奇妙な物語」を合わせた様な話。
一番不条理かも。
S氏は過去の事件の契機になった人物。
○箱詰めの文字
S氏の墓前でナイフが転がるシーンで、頭の中が猛烈に回転する。
なるほど偽証だったのか…と言う驚き。
しかし、この主人公の凶行がいつまでもバレないってのはどうなんだろう。
○冬の鬼
これが鬼の跫音なのね。でもよく分からない。
時系列を遡り、S氏の身の上に怒った驚愕の事実とは…と言う驚き。
何を囁いたと言うのか。
○悪意の顔
いじめっ子S氏と友達になる話、と言うとキレイすぎるか。
ひょっとしたら、あの女の人がやっていたのは…と言う驚き。