滅びのモノクローム

三浦明博・講談社文庫

いろいろご都合主義で話が進んでいくんだけど、何を書きたかったのか
伝えたいことは何だったのか、私には直球では伝わってこなかった。
何が敵なのか、糾弾したい敵は何なのか。

主人公の日下のモチベーションも分からないんだよね。
伊波のしたことが責められるべきとして、義憤だけでそこまでやるかね。
しかも、実は悔恨を抱えているのは進之介なのかい?

辰巳が大西を生かしておく理由も分からなければ
花の生死が置き去りだったり、伊波のその後も分からない。
登場するキャラに優しくないので、入れ込み様もない。

大衆が流されてる事への警鐘だけなのだとしたら、パンチが弱いかな。
初読みの著者へ辛口だったかもしれないけど、スッキリしない一冊でした。

(15/11/01)


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